音楽の垣根 明るく越える 羽田健太郎さん

 指揮のそぶりをしながら寝言で「ワン、 ツー、さん、ハイ、・・・ 
ねえ、どうして入らないの?」と病室で言ったという。

羽田健太郎さん(享年58年)は2007月6月2日、 肝細胞癌のため
お亡くなりになりました。


テレビ朝日系「ニュースステーション」で、 桜吹雪をバックに、あるいは富士山
の山頂で、 ピアノを弾く羽田健太郎さんをごらんになったかたも多いと思います。


「題名のない音楽会21」の司会も7年努め、 テレビからお茶の間へ、音楽の自由さ
と楽しさを届けてくれました。

「どらえもんみたい」と言われた丸っこい手で、 難曲をやすやすと弾いていましたね。

桐朋音大仕込みの本格派のピアニストでしたが、 亡き父の代わりに苦労した母親
に報いたいと、 金が稼げるスタジオミュージシャンの道に進みました。


ジャズピアニストの前田憲男さんは 「ポピュラー界のレベルをはるかに超えながら
クラシックの人が見向きもしないポピュラーの演奏もこなしていた」 と話しています。


珠玉はアメリカの作曲家ガーシュインの名曲 「ラプソディー・イン・ブルー」だった。

「どう崩したらいいかわかっている。地の中に入っているんでしょう。音楽の
芯をぱっとつかみ、しゃれのめして弾く。

実に楽しそうですね。」と作曲家の服部克久さんは、羽田さんはクラシック
とポピュラーの垣根をなくす仲間だったと語っています。


2007年の5月、「題名の?」の収録で、ドラマ「砂の器」の主題曲、
千住明作曲の「宿命」 を弾き、がん手術から復帰するはずだったのです。


しかし、リハーサルでは支えられて歩き、テンポはいつもの倍の遅さに。


それでも羽田さんは「ピアノが鳴らないね。 でも明日の会場ならもっと鳴るよ。」


復帰を延ばそう、とプロデューサーが意を決して言うと、「そうだよね、演奏って
弾けばいいってもんじゃないもんね。」と凛とした顔で言ったそうです。


ハネケンという愛称で親しまれてきた羽田さん。

貴方が残した音楽を楽しむ心は一生忘れません。

ありがとうございました。

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